特集/コラム

【エリア特集】2009-06-11

国際線地区に東京モノレールの新軌道が出現
路線移設・新駅建設工事順調に進む

 羽田空港国際線地区の建設工事が2010年10月の供用開始を目指して順調に進む中、東京モノレール(本社=東京都港区)羽田線の新軌道の一部がその姿を現している。

 同社は、同空港の再拡張事業の中核施設の一つである国際線旅客ターミナルビルの新設に合わせ、新ビルへの交通アクセスを確保し空港利用者の利便性を向上させるため、既存路線を一部移設と「(仮称)羽田空港国際線ビル駅」新設の工事を進めている。


 国際線地区に立ち並ぶ新軌道の支柱 


 現在の路線上に国際線旅客ターミナル向けの新駅を設置すると同ビルとは約250メートル離れることから、天空橋駅と新整備場駅間の約900メートルの区間を空港内部に最大で約250メートル移設し、新ビルに直結する新駅を設置することにしたもの。


 軌道の移設工事は約1年前に開始しており今年4月末までに、新軌道の49の支柱(橋脚)のうち29柱が完成し、90ある軌道けた(レール部分)の23本の架設工事が完了した。地中のくいやフーチング(基礎底版部)の施工はほぼ完了しており、同社によると電気関係を含めた全工程における進捗率は4月末時点で約56%。基礎工事と一般部の支柱構築を終えて現在、既存営業線に近接した部分の支柱および軌道けた架設工事を進めている。


 既存線を走る同モノレールの車窓からはすでに、国際線地区の工事区画に建つ新軌道の支柱や架設済みの軌道けたが間近に見え、移設後のルートや新駅の位置を一望できる。


 国際線ターミナル「アクセスホール」に新駅設置 


 新駅「(仮称)羽田空港国際線ビル駅」は今後、新国際線旅客ターミナルの交通サービスを集約する「アクセスホール」の建設に伴って駅舎とホームの構築を進めるが、同社によると新ターミナルビルと一体感のある質の高いサービスと明るく開放感のある空間を提供する施設になるという。


 駅のコンセプトは「より早く便利に(スムーズ)」「より安全に(セーフティ)」「より優しく(ユニバーサルデザイン)」。新ビルの階層計画(3階=出発ロビー、2階=到着ロビー)に合わせて新駅も2層構造にする。都心から到着して国際線を利用する場合は、同駅3階下りホームから平行移動で出発ロビーへアクセスでき、短時間での搭乗手続きが可能になるという。国際線で到着する旅客には、2階到着ロビーからホームへ1フロアの移動で到達できる最短の動線を計画する。


 各ホームへの昇降設備にはシースルーエレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー設備を完備し、案内表示などには日・英・中・韓の4カ国語を使用する。またホームは柱の無い設計にし、可動式の安全柵を設置する。

 同社は「抜群なアプローチの良さと35分間隔のモノレール運行により(国際線と国内線の)スムーズな乗り継ぎを実現できる」とし、空港内ターミナル間の移動手段としての機能にも自信を見せる。


 線路切り替えは201010月以前にも 


 既存線との切り替え部 2ケ所については、線路切り替え当夜に軌道けたの架け替えを行う予定だという。天空橋側と新整備場側合わせて合計で軌道けた12本を撤去し、19本を新たに架設。さらに電車線および信号ケーブルなども接続する大規模な夜間集中工事を行う。天空橋側では切り替え部が片側2車線の道路を横断しているため、通常の2倍以上の長さの53メートルの軌道けたの架設も行う。


 同社によると、線路の切り替え時期は今後、国際線ターミナルビルと新駅の工事の進ちょくを見ながら調整していくという。201010月以前に実現すれば国際定期便の就航を待たずに、モノレールの車窓から整備が最終段階にある国際線地区の様子を楽しめるようになる。

東京モノレール

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東京モノレール

 東京モノレールは都心の浜松町と東京国際空港(羽田空港)間の臨海部17.8キロメートルを最短16分で結ぶ跨座式モノレール。同社によると「自然環境・悪条件を技術力で克服して実現した、世界でも初めての本格モノレールライン」だという。1964年の開業以来、同空港と沿線地域の重要な交通アクセスとして存在感が大きく、またそのユニークな車両スタイルと都心臨海部・東京湾を高架から眺望できるルートで幅広い層のファンもいる。平日の輸送力は1日約30万人(200712月、同社データ)。2002年よりJR東日本グループ。



・完成イメージ図 ©東京モノレール
・データ・情報は2009年5月の取材時における最新のものです。


この特集記事は羽田経済新聞が編集協力した月刊エアライン7月号(2009年5月30日発売・イカロス出版)の連載「月刊羽田経済新聞」と同じ内容です。

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